丸ノ内ホテルは、1924年(大正13年)開業。
2004年(平成16年)に東京駅丸の内北口からすぐの現在の地に移転開業し、
2024年10月におかげさまで開業100周年、移転開業20周年を迎えました。
これからも私たちは、ここ丸の内で
「世界のお客様へ わが家のおもてなしを」をコンセプトに
溢れる笑顔で皆様をお迎えいたします。
ホテルの前身である東京タクシー自働車株式会社が1917年(大正6年)に創立した。開業前年の1923年(大正12年)9月1日には関東大震災が発生。建設中に被災するというアクシデントに見舞われたが最小限の被害に留まった。翌年1924年(大正13年)10月28日、丸ノ内ホテル開業。9階建ての1階にはロビーと食堂、客室は2階から9階に設けられていたがバスとトイレは別れており、現在とは違う仕様であった。建物は現在の永代通り沿いにあり、写真の右奥に東京駅の屋根の形がうっすらと写っている。
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関東大震災により被害を受けた丸ノ内ビルヂング。外壁には多数の亀裂が入り、タイルは剥離し落下している。 写真提供:三菱地所株式会社
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まだ平屋の建物が並ぶ丸の内北口や、今と比べ背の低い丸ノ内ビルヂングをはじめとする建物の数々。駐車中のタクシーが確認できる。 写真提供:三菱地所株式会社
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新年を始め当時のスタッフが撮影した様々な節目での記念写真が、資料として残っている。上はエントランスで撮影したとみられ、入り口の看板には「丸ノ内ホテル」と書かれている。
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丸ノ内ホテル開業を伝える当時の新聞記事 1924年10月28日
東京日日新聞(現・毎日新聞)朝刊 -
開業翌日に掲載されたホテル開業を告げる広告 1924年10月29日
東京日日新聞(現・毎日新聞)夕刊 -
ホテル外観写真と平面図 1936年
「ホテル建築図集」
清水組(現・清水建設株式会社)発行
太平洋戦争終結後である1945年(昭和20年)から1952年(昭和27年)6月17日まで、丸ノ内ホテルは連合国軍により接収されイギリス連邦軍将校宿舎として使用された。上の写真は接収中に大雪に見舞われたホテルエントランスが写る。車のナンバープレートには「BCOF(英連邦軍:British Commonwealth Occupation Force)」と記されており、この期間に磨かれた海外ゲストへのおもてなしが、現在のサービスに繋がっているという。1954年には全客室に冷房を設置。1957年には内外装の改装と宴会場の増築を行った。
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空襲で破壊された東京駅。度重なる空襲にもかかわらず、ホテルは幸い破壊を免れた。戦後、丸ノ内ホテルの他、被害を受けなかった複数のホテルが接収されることとなった。 写真提供:三菱地所株式会社
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ホテル接収解除の1952–1953年(昭和27–28年)頃に撮影されたといわれる有楽町・丸の内を望む航空写真。 写真提供:三菱地所株式会社
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東京都から食品衛生法・旅館法の優秀店として表彰された当ホテル。換気を兼ねた冷暖房と、「消毒済み」の紙が巻かれたコップが見える。(1953年7月25日サン写真新聞記事より) 写真提供:毎日新聞社
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接収解除と営業再開を告げる当時の広告 1952年7月19日
毎日新聞 夕刊
オリンピックを控えた1961年(昭和36年)4月。収容人員150名のベッドルームの他、大宴会場・会議室10室、メインダイニングルーム、グリルルーム、ボールルーム、バー、カクテルラウンジ等の施設と、付随する冷暖房機械室、電気配電室等、当時最新の設備に整えた丸ノ内ホテルの新館が開業。この間にホテル本館も改装工事を行い、その翌年全館工事が完了した。本館のインテリアデザイナーであるパトリシア・ケラー女史が提唱した暗喩的な「日本らしさ」は、現在の丸ノ内ホテルのデザインにも踏襲されている。
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整備がほぼ完了した丸の内仲通り。1967年(昭和42年)4月撮影 写真提供:三菱地所株式会社
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1971年(昭和46年)8月、朝日東海ビル28階にレストラン、バー・カクテルラウンジと宴会場・会議室を備える「東京ジョンブル」(上)が、続く1976年(昭和51年)12月には、東劇ビル内に「東劇スカイサロン」(下)が開業。
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1976年(昭和51年)12月に開業した、銀座丸ノ内ホテル。客室数114室、2つのレストランを備え、2001年(平成13年)まで営業をしていた。
丸の内北口エリアの再開発に伴い、ホテルは2000年(平成12年)より一時閉館。そして2004年(平成16年)10月1日、丸ノ内ホテルは東京駅丸の内北口からすぐの現在の地に移転開業することとなった。東京駅前であることを忘れる大人の静寂をめざし、205室のゲストルームの他、レストラン3店舗(フレンチ・日本料理・鉄板焼き)、シガーバーなどを備え、ビジネスエグゼクティブのお客様を中心にご満足いただける宿泊特化型のホテルへと生まれ変わった。
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平成からの再開発により、高層ビル群が立ち並ぶ街並みへと変貌した、東京・丸の内。 写真提供:三菱地所株式会社
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移転開業したホテルのデザインコンセプトは、居心地の良さを追求したモダンジャパニズム。都心で心から寛ぐことができ、大人の静寂をも感じさせる11タイプの部屋を備えた。
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「世界のお客様へわが家のおもてなしを」をコンセプトに、「日本らしさの昇華」を試みた。館内サインは季節毎に差し替えられ、茶道に倣った四季のおもてなしを表現した。
2023年(令和5年)11月、丸ノ内ホテルは客室を中心とするリニューアル工事に着手し、2025年(令和7年)6月の完成を目指しています。東京・丸の内にて、様々なお客様をお迎えし今年で100周年。これからも丸ノ内ホテルは、丸の内エリアにおけるオンリーワンホテルとして、この街とともに溢れる笑顔でお客様をお迎えします。
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客室リニューアルのコンセプトは「NEO Japanism」。2004年ホテル移転開業時の「モダンジャパニズム」の発想をさらに推し進め、「丸ノ内ホテルでなければ味わえない空間」を創出している。木目を多用したインテリアや、弧を描く天井、拡張されたバスルームなどが優雅なくつろぎのひとときを演出している。
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2024年(令和6年)3月、8階「ポム・ダダン」屋外テラスがリニューアル。東京駅をはじめ様々なビルが立ち並び、刻々と変わり続ける東京の街並みを一望できる絶好のロケーション。木を多用しテーブル・チェアを一新。さらに落ち着いた空間へと生まれ変わった。